February 02, 2004

思わぬところで。

サルスベリのつやつやとした木肌の色がとても明るく見えた。
まだ、若いだろう桜の木が、 小さい芽をつけながら、
勢い良く空に向かって枝を伸ばしていた。

薄暗い空気の中、 細く長い 水の線が 地面に落ちていく。

きれいに磨かれた窓ガラス。
その窓には、白衣を着た大きい後姿と、 細く小さい白衣の姿が、
ゆっくりと、 でも 無駄の無い動きをしているのが映っていた。

住まいの一室が診療室に改造されたそこで、 大きく、怖さでいっぱいになる
歯医者さんの、 あの いすに 座り、
先生の順番を待ちながら、 前に広がる景色を見ていた。
雨が、 音でも気配でも無く、 あった。

    

投稿者 Nobuko : February 2, 2004 11:49 PM
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