サルスベリのつやつやとした木肌の色がとても明るく見えた。
まだ、若いだろう桜の木が、 小さい芽をつけながら、
勢い良く空に向かって枝を伸ばしていた。
薄暗い空気の中、 細く長い 水の線が 地面に落ちていく。
きれいに磨かれた窓ガラス。
その窓には、白衣を着た大きい後姿と、 細く小さい白衣の姿が、
ゆっくりと、 でも 無駄の無い動きをしているのが映っていた。
住まいの一室が診療室に改造されたそこで、 大きく、怖さでいっぱいになる
歯医者さんの、 あの いすに 座り、
先生の順番を待ちながら、 前に広がる景色を見ていた。
雨が、 音でも気配でも無く、 あった。
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投稿者 Nobuko : February 2, 2004 11:49 PM